確率を適当に語る人

確率とはそんな回数では割り出せない

私はゲームが好きで、様々なゲームには何かと確率というものがつきまわる。

そんな中、掲示板のようなサイトで確率についてかなり適当なコメントが見受けられる。

確率の勉強をしてない低学年ならわかるが、それなりの大人が書いているようなもので
かなりおかしなことを書いている人を見かける。

例えばガチャのようなもので、30回40回引いた程度でこれは当たり確率が変わったとか
公式サイトの発表が嘘だとかいうコメントが平気で書いてある。

確率というのはあくまでも計算上の話であり、何万回という回数をやっても確率どうりには近づくかもしれないが、その通りにはならない。

こういう考え方をする人たちは身の回りにも多くいたので、私はたいていサイコロを例に
「確率」というものの考え方を伝えるが、その場で言っていることは理解はするものの
基本的な考え方はあまり変わらないようだ。

もちろん私も人間なので、例えばサイコロを100回振って1が一回も出なかったら
「こんなのありえない!」と言うかもしれない。

でもそれは単に感情から出たセリフであり、確率として本気で思っているわけではない。

ところがこういった現象を本気で確率としてとらえる人たちがいる。

感情や気分と確率は別問題

世の中にはやたらと当たりが出ると言われる宝くじ売り場がいくつか存在する。

その宝くじ売り場に、我も我もと言って並ぶことは別に好きにすればいい。

しかし、そんな中に本気で過去の当選者のデータだけを見て、その売り場は当たる確率が高いと考えてる人がいるから不思議なものだ。

東京の銀座にある宝くじ売り場には毎回すごい人数が集まる。

これを「当たった人がいるからゲン担ぎで私も」というならわかるが
単純に「ここはよく高額当選が出るから」という人がかなり多い。

そんな人に私はいつも聞く。

ハズレた人の数は考慮しないのか?と。

銀座の宝くじ売り場などはとてつもない人数が購入するので、当然ながら他の売り場に比べて当選者が出る確率(人数)は高くなる。
しかし、同時にハズレを引く人の人数も他の売り場よりはるかに多くなるのである。

購入者数が多いから当たる人もハズレる人も多くなるだけの話なのである。

そういった人たちの理論で言えば、ここは他より10倍当たりやすい、という場所ならば
外れる確率も他の売り場に比べたら10倍ということになる。
そもそもこの10倍になる、という考え方自体が間違っているのだが・・・

宝くじの当選確率は計算で出るので、銀座で買おうが北海道の端っこで買おうが確率は変わらない。
当選確率が10倍になるようなことはあり得ないのである。

つまり、当たる確率が10倍になっているのではなく
当たった人の数が10倍なだけである。
当然、計算上はハズレる人の数も10倍になるという話なのである。

パワースポットなど神秘的な話は別

世の中にはパワースポットと呼ばれるような場所も多く存在し、科学では解明できていない不思議な現象も多くある。

そういった意味で、銀座はパワースポットだと思っているから
この場所で宝くじを買うんだ、という人に関しては好きにすればいい。
これは確率の話とは全く別の問題だ。

ところが何度も書くが私の身の回りだけでも、本気で確率が違うと思っている人がいるからよくわからない。

先ほど書いたように「不思議な力」が作用しているならそれはもはや「確率」ではなくなる。

「確率」という言葉を使う時点でそれは数学的な話なのである。

仮にサイコロを1000回振って全部6だったというような奇跡的なことが起きたとしても
1度振って1が出る確率は6分の1であるということに変わりはない。

これを読んでいる方は少なからず「確率」に興味がある方であろうから
ここまで書いた内容に「当たり前じゃん」としか思わないかもしれない。

しかし、現実の世の中には上記のような人がたくさんいる。